名古屋大学建築環境・設備系研究室

名古屋大学の建築関係の教育・研究は、学部では工学部社会環境工学科の建築学コースにおいて、大学院では環境学研究科都市環境学専攻において行われています。
【学部講義の特徴】
建築環境・設備工学に関連した,学部講義の体系を示します。1〜3年生前期までで基礎的な科目を習得し、その後さらに専門的である“設備工学”、“社会環境保全学”、そして設計演習である“環境システム設計および演習”、“総合設計および演習1C”へと進みます。こののうち“総合設計および演習1C”は4年生になって環境・設備系の講座に配属された学生が主に履修しており、日ごろ設備設計を行っている非常勤講師に指導を仰ぎ、より実践に近い設備設計を体験することを大きな特徴としています。

 
1年生
2年生
3年生
4年生 


    人間環境工学
環境評価指標,温冷感,生理心理,社会調査
環境システム工学
空調設備,衛生設備,電気設備,防災設備,エネルギー消費計
測技術及び実習
社会環境保全学
環境基礎,環境と経済,環境と開発,環境管理,建築エネルギーシステム
総合設計及び演習第1C

熱負荷計算,空調システム設計









人間環境と活動
人間活動,環境,持続性,自然共生,環境アセスメント
物理環境工学
日照,日射,照明,室内負荷,騒音,熱負荷,換気
設備工学
建築設備,省エネルギー,室内環境環境システム設計及び演習PAL計算,熱負荷計算,空調システム設計,給排水設備設計
 

【大学院講義の特徴】
名古屋大学大学院環境学研究科は、“安全・安心学”と“持続性学”を軸に、これを実現するための文理連携を目指し、2001年4月に設置された研究科です。本研究科では、研究科設立の理念に応じて,従来の領域に応じた工学の学位に加え,環境学・建築学の修/博士の学位が取得可能になりました。建築環境・建築設備に関する大学院講義科目には、建築環境システム設計学,人間環境設計学,物理環境設計学,環境解析特論などがあります。

【研究者とテーマ】
建築環境工学・建築設備に関する研究室としては4研究室があり、環境学研究科都市環境学専攻の中で,
・ 建築系・・・環境・安全マネジメント講座:久野覚教授
・ 建築系・・・建築・環境デザイン講座:奥宮正哉教授,齋藤輝幸助教授
・ 空間・物質系・・・都市持続発展論講座:原田昌幸助教授
のように配置されています。また,本部施設計画推進室の田中英紀助手も主要な研究メンバです。
このうち,久野・齋藤・原田研究室はいわゆる心理・生理系(社会調査などを含む)の研究を、奥宮研究室(含む田中助手)は設備系の研究を専門としています。学生を含む全研究室のメンバが集まると総勢30名強と大所帯ですが、人間と設備は独立した専門分野ではなく,常にこれらの知識を連携させて設計を行うべき,という信念から,長年共同でセミナーを維持しています。
  以下に各研究室の現在の研究テーマを並べます。写真は,2005年に開催された愛・地球博のグローバルループに導入されたドライミスト設備の様子です。

■ 久野・原田研究室
1) 居住者参加型空調制御システム(ヒトセンサ)を利用した空気調和制御システムに関する研究
2) ドライミストの蒸散効果を利用したヒートアイランド緩和技術に関する研究
3) 商業空間の照明と印象形成に関する研究
4) 加齢に伴う視覚の黄変化に関する研究
5) 豊かな住宅に関する研究

■ 奥宮研究室
1) コージェネレーションに関する研究
2) デシカント空調に関する研究
3) 屋上緑化や屋根散水による空調負荷軽減に関する研究
4) 土壌の熱容量を用いた空調外気負荷軽減に関する研究
5) 負荷計算と空調システムシミュレーションに関する研究
6) GISを用いた都市エネルギーシステム計画ツールの作成
7) ドライミストの蒸散効果を利用したヒートアイランド緩和技術に関する研究

■ 齋藤研究室
1) 都市住宅における室内環境および生活行動とエネルギー消費
2) 非定常温熱環境下での生理・心理反応
3) 浴室・トイレ環境における安全性と快適性
4) 住宅換気システム
5) アトピー性皮膚炎と室内環境

 

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