◆講演会(名古屋)
『女性の視点からのトイレ』
日   時: 平成23年4月21日(木)
14時00分〜17時00分
場   所: 東桜会館 集会室
参加人数: 35名

 今回の講演会は、女性の視点に立ってこれからのトイレを考えようをメインテーマにして、他支部(仙台市、新潟市、札幌市)での開催に続き、当支部でも実施されることになりました。
 久野支部長の挨拶の後、TOTO梶@豊貞佳奈子氏、滑ツ境技研コンサルタント 石田佳子氏、日本福祉大学非常勤講師 高井智代氏、閑アテック 赤井仁志氏 の4名の講師の方から、世界的にみた水利用の状況や市民トイレの話題、女性ならではのトイレ開発など幅広く紹介がされました。また、宮城県在住の赤井氏からは、今回の東日本大震災の発生を受けて、災害とトイレについても講演されました。会場は女性の参加者も多く、これまでにない雰囲気での講演会となりました。
   

【豊貞佳奈子氏の講演概要】
「節水トイレが地球を救う」と題して、地球規模で見た水利用の状況や  私たちの生活における水まわりからのCO2排出量削減方法などについて紹  介されました。これまでのいわゆる「節水」ではなく、水を賢く(たくみ  に)使う「巧水(たくみ)スタイル」の考え方を導入して、無意識のうち  に地球にやさしい生活を送ろうとの提案がありました。



   

【石田佳子氏の講演概要】
「ごみとし尿とリサイクル」と題して、ごみとし尿を併せて処理しメタ  ンガスの回収や発電、堆肥化など廃棄物から資源を有効に回収する施設の  紹介がされました。また、財政面や場所確保の困難さから、近年、店舗な  ど既存にあるトイレを市民トイレとして活用しようとの各自治体での取組  みも紹介されました。市民トイレは、女性にとっても安心して利用できる  ことから今後の普及を期待したいとのことでした。

   

【高井智代氏の講演概要】
「女性用立位便器の開発」と題して、これまで聞きなれない便器開発に  ついて紹介されました。百年以上前は、女性も立位での用足しが珍しくな  かったこと、また、女性は関節リウマチの持病を抱える人が多く、立位便  器は関節リウマチの患者の方にとって負担なく利用できることが、試行者  へのアンケートで明らかになっているとのことでした。しかし、生活スタ  イルの変化などからその開発・導入には課題もあるようです。

   

【赤井仁志氏の講演概要】
「くらしの水まわりのこれから」と題して、主に入浴に関する内容に  ついて講演がありました。レジオネラ対策はかけ流し温泉でも必要であること、高齢者の入浴時の注意事項などが紹介されました。
また、災害とトイレについての講演もあり、避難施設となる学校等の  トイレはロータンク式とすべきであることや、簡易な緊急トイレの作り  方など、講演者自らの被災地での実体験を踏まえて、東海地震等の発生  が懸念される地域に住む私たちへの助言もありました。

  文責:羽津本好弘