報告:「空気調和・衛生工学会 中部支部 第52期支部報告会」
 
「空気調和・衛生工学会 第52期中部支部報告会」が6月14日(金)に中部大学名古屋キャンパスにて開催されましたので、ここに報告致します。

日 時: 2019年 6月14日(金) 14時00分〜17時00分
場 所: 中部大学 名古屋キャンパス 大ホール(名古屋市中区千代田5-14-22)

次 第
 1. 支部報告会
(1) 代表理事挨拶 副会長 堀川 晋
(2) 支部長挨拶 支部長 齋藤 輝幸
(3) 事業報告と事業計画
 ・平成30年度事業結果及び令和元年度事業計画
 ・平成30年度決算及び令和元年度予算
(4) 第33回 振興賞技術振興賞表彰式
 2. 記念講演会
演 題: これからの建築と都市と設備の環境デザイン
講 師: 堀川 晋
(鞄建設計 執行役員 エンジニアリング部門  設備設計グループ
 プリンシパル)
 2. 交流会(会場移動)
サッポロビール浩養園 3階 スターホール (名古屋市千種区千種2-24-10)
 
1.支部報告会 14:00〜14:30 参加者:43名
 学会本部より堀川 晋副会長(鞄建設計 執行役員 エンジニアリング部門 設備設計グループ プリンシパル)をお迎えし、第52期支部報告会が会員43名の出席のもと開催されました。続いて第33回振興賞技術振興賞表彰式では『ecoとBCPを兼ね備えた「百五銀行 岩田本店棟」の計画・設計・施工』の1業績が表彰されました。中小規模建物の採用実績の多い個別空調方式の省エネルギーに取り組むと共に、建物側も負荷削減のため環境ファサードの工夫がなされ、その効果についても、設計時における詳細検討、運用後の検証が行われています。また、BCP機能の強化が図られ、BIMなどを活用した施工性の向上にも取り組んでいます。上記の環境ファサード採用、個別空調方式での省エネルギーと快適環境の両立、BCP対策として7日間の建物機能維持を可能としている主に3点に加え、BSMSデータを用いたエネルギー消費量の実績では、DECCデータベース(2013年4月)の中部地方事務所ビル(床面積10,000m2〜30,000m2)の平均値である1,921MJ/(m2・年)と比較し、約51%の削減となっており、大幅な省エネルギーが実現されている点が評価されました。
 
2.記念講演会 15:00〜16:00 参加者:105名
 本学会の副会長である堀川 晋氏を講師として「これからの建築と都市と設備の環境デザイン」と題して記念講演が行われました。これまでの「コストを抑えたいオフィス」から「ワーカーを大切にするオフィス」に変化し、高品質な室内環境、フレキシブルな働き方への対応が重要になるとご説明いただきました。事例として凸凹スラブを利用したTABS(輻射冷暖房)を、実際の温度変化グラフなどをもとにご説明いただき、輻射と対流を考慮したHeatBalanceを計算する必要性をご講演いただきました。
 また、後半はBIM(Building Information Modeling)の将来性、必要性を実際のBIMモデル画像を用いてわかりやすくご紹介いただき、さらに各所連携、技術計算、数量把握、VR化などBIMを活用した次の一手をお教えいただきました。講演に参加した学生にも「将来必要なものである」とおっしゃられており、その重要性を感じる講演でありました。堀川副会長におかれましては、ご多用の折、また遠方よりお越しいただき、ご講演いただきましたことを厚く御礼申し上げます。
 
3.交流会 17:00〜18:30 参加者:59名
 記念講演会に引き続き多数の方に参加を頂き、交流会が開催されました。空気調和・衛生工学会副会長の堀川 晋様、建築設備技術者協会の専務理事の山下浩一様のご挨拶から始まり、支部活動に参加・ご支援を頂く皆さまが集まり懇親を深めました。交流会の中では空気調和・衛生工学会の振興賞技術振興賞と、建築設備技術者協会のカーボンニュートラル賞のそれぞれの受賞社名が読み上げられ、壇上にて紹介されました。交流会は盛り上がりのうちに終りを迎え、建築設備技術者協会中部支部支部長の村上正継様より次年度の支部活動の発展を祈念しての中締めとなり成功裏に終わりました。
 
文責:総務幹事 大場章晴