◆最適化研究会講演会(名古屋)
 
「平成30年度 最適化研究会講演会」
 
場 所: 東桜会館 第一会議室
日 時: 平成31年2月27日(水)
参加者: 24名(講師2名含)

 今年度の講演会は、最適化研究会定例会のテーマの中から関心の高かった省エネ技術と、最新の画像センサについてご講演頂きました。

 
「安全確保と省エネを同時に実現する研究所向け給排気管理システム
 i-Fume(アイヒューム)の概要」

青山 剛士 氏 (高砂熱学工業)

 安全な作業環境と省エネルギー運用の両立を可能とするヒュームフード(ドラフトチャンバ)向け高速給排気管理システムi-Fumeについてご講演いただきました。このシステムは、ヒュームフードのサッシの開度に合わせて、最小吸込み面風速を保ちつつ風量制御することで省エネルギー運用を可能とします。また、複数のVAVとファンを連動させて制御し、給排気のバランスを維持することで、ドアが重い・空調の効きが悪いといったトラブルを防止します。開発した高速VAV装置は、ダンパ前後の差圧から風量を算出し、風量要求に対して1秒以内で高速応答し、ハンチングも抑制するものです。また、運用状況や制御状態、全体の風量制御状態、警報の履歴の「見える化」により、適正な運転の支援も行えます。このようなシステムを使って、研究施設の安全確保と省エネ運用を目指したいとのことです。

 
「多機能画像センサを活用したビル・施設の新しい価値創造」
野田 肇 氏(東芝インフラシステムズ)

 独自の車載向け画像認識プロセッサを搭載した多機能画像センサ、スマートアイセンサマルチについてご講演いただきました。高度な画像認識技術を用いて、従来の赤外線センサでは検知が難しかったオフィスワーク中の動きの少ない人物の検知を可能とします。センサ1台で、人の在/不在、推定照度、推定人数、活動量、歩行/滞留などの情報を取得します。検知範囲は、従来センサよりも広範囲の9m×9mの正方形の範囲で、9分割可能です。センサを活用した制御として、人数検知によるON/OFFの照明制御や照度推定による調光制御、人数推定による空調能力制御や活動量推定によるPMV制御への活用、混雑度検知によるエレベーター制御、動体検知による防犯への活用などがあります。IoTセンサの新しい価値創造として、オフィスの利用状況見える化、勤務状況の分析可視化、食堂やレストラン等の人数推定による混雑度の見える化、商業施設における人流動向分析などに活かすことができ、今後さらに多様な用途への適用を図りたいとのことです。

 
文責:成瀬