◆中部地区講演会(名古屋)
 
環境に配慮した災害に強いまちづくりに向けて
〜将来の地球温暖化対応と災害を未然に防ぐまちづくりの取り組み〜
 
場 所: 栄ガスビル 栄ガスホール
日 時: 平成31年2月15日(金) 13時30分〜16時40分
参加者: 71名

 今回は、「環境に配慮した災害に強いまちづくりに向けて」と題し、以下のご講演をいただきました。

 
講演T 将来の地球温暖化時代のまちづくり・都市づくりの提案と課題

名古屋大学大学院環境学研究科 都市環境学専攻 准教授 飯塚 悟 様

 温暖化対応は、まちづくり・都市づくりを考える上で欠かせない重要な要素であり、また、近年、地震や台風、局地的な大雨など様々な災害が発生しており、災害に強い都市機能の強化も求められている。
 環境に配慮した災害に強いまちづくりのために「温暖化ダウンスケーリングと呼ばれるシミュレーション技術を活用したまちづくり・都市づくりの提案と課題をお話しいただいた。
 都市の気温上昇を抑えるためには、防災・減災を考慮したコンパクトシティ化を推進することが有効であると提言された。しかし、それを実現するための居住・都市機能誘導の課題は大きく、土地への愛着に勝るインセンティブは何か、将来世代の幸福を優先したフューチャーデザインの思想を取り入れるべきかなどの議論、検討が必要であると述べられた。

 
講演U 災害に強い安全・安心な街 〜都市再生安全確保計画の推進〜
名古屋市住宅都市局 リニア関連都心開発部 リニア関連・名駅周辺開発推進課長  
丹羽 克昭 様
名古屋市防災危機管理局 危機対策室 主査 今枝 政人 様

 災害時の帰宅困難者の受け入れの課題と対応等を計画した都市再生安全確保計画の概要と被災した時にとるべき行動について、名古屋市作成の被災想定の動画もあわせて、ご講演をいただいた。
 名古屋駅周辺地区のまちづくり構想において、南海トラフ巨大地震を想定し、発災直後の混乱回避と滞在者の安全確保、避難経路、退避施設、備蓄などの整備に関する計画についてご説明いただいた。
 特に、発災時の帰宅困難者の想定やその対策についての取り組みを述べられ、安全確保施設については官民が連携して整備を進めていること、今後も避難施設の拡充や事業継続への取り組み、外国人来訪者への対応を進めていくことを述べられた(丹羽さま)。
 また、発災時の備えや取るべき行動、帰宅困難者を増やさないための心得、備蓄の確保についてご説明いただいた(今枝さま)。

 
文責:杉山