◆平成29年度 最適化研究会シンポジウム(名古屋) |
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「最適化研究会シンポジウム(名古屋)」 |
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場 所: |
今池ガスビル 7階プラチナルーム |
日 時: |
平成30年3月7日(水) |
参加者: |
21名(講師3名含) |
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今年度のシンポジウムは、中部支部最適化研究会の講演の中から関心の高かった省エネ技術と、注目のZEBについてご講演頂きました。
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「高密度蓄熱・熱搬送技術の研究開発」 |
中村 洸平 氏 (東邦ガス) |
コジェネ排熱などの有効活用を目指し、50〜90℃の温度帯のPCMを利用した蓄熱・熱搬送技術についてご講演頂きました。ガスエンジン排熱(約90℃)で凝固・融解する素材としてアンモニウムミョウバンに着目し、蓄放熱性能評価試験で温水の約10倍(利用可能温度差10℃)の蓄放熱性能を有することを確認しました。温水のみの貯湯槽に対し、温水とPCMの体積比が6:4の蓄熱層を利用すると槽容量を75%減らせる試算結果となります。また、ミョウバンを水に分散させたPCMスラリーの熱搬送性能を試算した結果、同一流量で温水の約2倍の熱を搬送でき、ポンプ動力の低減や配管径の縮小効果が期待できるとの事です。
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「清水建設技研本館の位置情報を活用した省エネ・快適運用の推進」 |
大塚 俊裕 氏(清水建設) |
技研本館における位置情報を活用した省エネ・快適性維持、スマートBEMS利用の節電制御、全員でのカーボンダイエット活動などの省エネ効果についてご講演頂きました。従業員に支給したPHSにより位置情報を取得し、ゾーン毎の在室人員情報を基に外気取入量を最適化した結果、設計外気取入量を約70%削減できました。また、スマートBEMSを導入したことにより、建物のピーク電力を566kWから350kWまで抑えることが出来ました。2014年度の技研本館の年間一次エネルギー消費量原単位は1071MJ/m2・年で、DECCデータベースの関東の事務所用途建物の平均値の約半分となり、省エネを実現しました。
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「日本におけるZEBの動向と先進事例」 |
尹 奎英 准教授(名古屋市立大学) |
ZEB実現のための活動経緯やZEBの定義、ZEB化に伴う熱負荷の影響、ZEBの先進事例についてご講演頂きました。ZEBの定義は、室内環境品質を維持しつつ大幅な省エネルギー化を実現し、再生可能エネルギーの導入により、年間の一次エネルギー消費量ゼロを目指す建物のことです。ZEB化に伴う熱負荷の変化として、顕熱負荷の減少や顕熱比の低下、部分負荷の増大、外気負荷の比率増大などがあり、これらを考慮した設計が重要となります。ZEB化の先進事例について日本国内の14物件の中からご紹介頂きました。 |
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