◆見学会・講演会
 
最新植物工場「うれし野アグリ」の取り組み
 
日 時: 2015年1月21日(水) 13:40〜16:00
場 所: 講演 三重県松阪市嬉野新屋庄町 辻製油様 3階 会議室
見学 三重県松阪市嬉野新屋庄町 うれし野アグリ様 栽培ハウス・機械室
参加者: 45名
講 演: 株式会社浅井農園 代表取締役 浅井 雄一郎 氏

うれし野アグリでの植物工場プロジェクトと、浅井農園の取組みについて
  • 株式会社うれし野アグリは、辻製油65%、浅井農園20%、三井物産15%の出資により設立した。辻製油は、地域山林の間伐材等の木質チップを利用したバイオマスボイラーを導入し、その蒸気で油製品の製造等を実施しており、その蒸気と温水を施設園芸に有効利用するシステム。三井物産は新しい価値の創造を担務する。他に三重大学三重県農業研究所のサポートも受けている。正社員が5名、パートが40名の体制。
  • 2014年秋に植物工場は完成し、栽培面積は約2ヘクタール。房取りトマトの生産を行っている。青森から宮崎まで出荷しており、三重県内ではスーパーサンシ、一号館、イオンを除く店舗で購入可能とのこと。「農業をアツく。日本をつよく。」をスローガンとして掲げており、日本の平均で10アール当たり6〜7tの収穫量であるものを、ここでは生産性向上に努力し25tを目指す。
  • 浅井農園は、明治40年に創業。三重県津市において、緑化樹(三重さつき)の生産および販売を行ってきた。雄一郎氏は5代目。緑化樹の枠を超え、トマトやカラーピーマン、スナックパプリカなどを生産販売している。生産農場=研究農場として、新たな取り組みを続けている。
 
見 学:  うれし野アグリ様 栽培ハウス・機械室
  • 栽培ハウスは、2棟(1棟:約1ヘクタール[84m×112m])からなり、栽培室は温度・湿度・炭酸ガスが制御され、受粉のための蜂が飛んでいる状態で中に入ることは許されず、隣接する育苗室からガラス越しの見学となった。辻製油から機械室まで250mの間、蒸気・温水の往き還りで4本のパイプラインを結び、機械室にて適切な温度の温水(冷水)を製造し、各栽培ラインの間に敷設したパイプに供給して温度調整を行っている。
  • 栽培ラインは、ハウス短手方向に約80mの架台を設置。その上に載せた育成マットに養分液を浸透させ、トマトを植えて栽培している。胸の高さで作業ができるように架台の高さを地上高40〜50pとし、栽培ラインの間に敷設した冷温水パイプを作業車のレールとして利用するなど、生産性向上に対する工夫が随所に見られた。
  • 参加者からは、光制御や換気、除湿などについて活発な質問が出され、設計者からは、夏場の配管工事の苦労話などが披露された。

文責:加藤