“浴場施設のレジオネラ対策指針研修会“
日   時:
2006年11月30日(木)
13時30分〜17時00分
場   所:
今池ガスビル7階会議室
参加人員:
56名

本研修会は学会本部の委員会活動の成果発表として企画されました。支部の事業活動の大半が環境・空調に関わるテーマが多い中、少し珍しいテーマでもあり自治体の健康福祉関連の方、浴場濾過・滅菌設備関連の方等従来の枠を超えた方々の参加が見られました。

最初に元学会会長でもあり、今回の委員会主査をされた神奈川大学・紀谷教授より委員会立ち上げの動機が説明され、平成15〜16年の2年間の研究成果を元に今回のテキストである「対策指針」作成に至る経緯が説明されました。又浴場施設の建築計画における設備の視点よりの重要性が強調されました。
引き続き(株)ユニ設備設計の小川講師より「システムの構成と機器の要件」についての講演が行われ、その冒頭に過去のレジオネラ災害の調査内容が説明されました。
特にレジオネラ症発症後2ヶ月で250人の感染者と7名の死亡者を出した2000年の宮崎県の入浴施設の調査報告はいささか衝撃的なもので、設備の試運転・性能確認・引渡しの重要性を再認識させる内容でありました。レジオネラ感染防止の為には浴場及び配管設備の完全な排水が可能であることが最低限の必要条件であり、既存の設備では未だに不十分な所も多い事が強調されました。

次に「消毒と運転管理」について(株)ユアテックの赤井講師より講演がなされ、定期的な消毒の重要性・最新の消毒方法、機材及び温泉に対する対応等が説明されました。レジオネラ感染症は決して過去のものではなく、いつどこで発生してもおかしくない現状であり、設備技術者のスキルアップと建設計画の初期よりの関与が重要なことが主張されました。

近年もSARS、鳥インフルエンザ等が大規模に発生しており、2006年12月の今現在も「ノロウィルス」による感染の全国的な発生が今冬の話題となっており、そのような現状の中で今回の研修会の意義は大きいものがあると思われます。

支部長挨拶

神奈川大学 紀谷教授

(株)ユニ設備設計 小川講師

(株)ユアテック 赤井講師
文責:事業担当 中塚