建築設備研修部会 講演会 平成17年度第1回

実施日時: 平成17年5月17日(火)
場   所: 今池ガスビル
参加人数: 37名

今回の講演は、名古屋大学 恒川和久先生による「コンバージョンと都市再生の可能性」、北海道大学長野克則先生による「地中熱利用の実際と展望」についての講演が行われました。

[恒川和久先生の講演概要]
現在の都市は建物で埋め尽くされており、住宅もオフィスも床面積は過剰状態となっている。今後、更なる人口の減少が懸念される中で、これまでのスクラップ・アンド・ビルドから発想の転換が必要となる。そこで、都市再生手法としてコンバージョン(=用途転換による価値の創出)が期待されている。都市再生のための政策は都市再生本部、国土交通省、地方自治体で行われており、従来型の再開発手法から転換されてきている。その他、名古屋におけるコンバージョンの可能性の研究・調査、コンバージョン建築の個別事例について講演頂いた。

[長野克則先生の講演概要]
地中熱利用は1979年の第二次石油危機以降、盛んに研究されるようになり、特にスウェーデンでの地熱利用が盛んである。スウェーデンでは石油が高いために地中熱利用が盛んになっている背景がある。特に1995年ごろからの普及が盛んであり、そのほとんどが地中熱ヒートポンプである。地中熱ヒートポンプは人工排熱を排出しないためヒートアイランド現象の緩和に効果が期待される。日本国内でも地中熱ヒートポンプは徐々に普及しており、その事例やシステムの開発等についても講演頂いた。

建築関係の方を中心に多数の学生の参加者も頂き、活発な質問が飛び交い大変盛況のうちに無事閉会致しました。