建築設備研修部会 講演会

日時: 平成16年11月22日
今回の講演は,早稲田大学 田辺新一先生による「人間環境の視点からの建築環境」,千葉大学 川瀬貴晴先生による「建築と設備の複合的計画と建築環境」についての講演が行われました。

[田辺新一先生の講演概要]
最近の室内環境は省コスト、省エネのためとして、室内設定温度を高くするなど、必ずしも快適とは言えない状況にある。しかしながら、室内環境の悪化は単に仕事の能率が落ちるだけでなく、体調への影響も懸念される。そこで、知的生産性という概念から空調などの建築設備を評価し、単に省コスト、省エネということではなく、室内環境が知的生産性に与える影響を定量的に捉えることにより、トータル的な観点から設備を提案できるようにすることが狙いである。具体的には室内温度の違いによる疲労度の違い、室内照度による疲労度の違い等についての講演を頂いた。

[川瀬貴晴先生の講演概要]
設備計画の際、建築意匠、建築構造からの制約は多く、建築計画と共に設備計画を立てることがより良い建築物を施工することに繋がる。そこで、建築と設備計画におけるポイントを形態、プロセス、技術開発、時間・ライフサイクルという4つのキーワードで整理した。形態については、建築の構造が設備システムに多大な影響を与え、具体例としてJR東日本本社ビルで採用したスーパーフレーム構造やスーパーセントラル空調設備についての説明が行われた。その他、プロセス、技術開発、時間・ライフサイクルについても具体的な例を挙げ講演を頂いた。

建築関係の方を中心に多数の学生の参加者も頂き、活発な質問が飛び交い大変盛況のうちに無事閉会致しました。