講習会
低温送風空調システムの計画と設計
平成16年4月27日(火)
参加者:43名
4月27日の講習会は、定員40名の所43名の参加で行われた。最初に共催である(財)ヒートポンプ・蓄熱センターより趣旨説明が行われ、学会より発刊された導入マニュアル作成の経緯が説明された。その後、マニュアル作成に参加した3名の方を講師としてプログラムが進められた。
本システムは、ビルの年間一次エネルギー消費のうち多くを占める搬送設備の省エネルギーを目指したものである。従来は、搬送設備の省エネ化のため冷水の大温度差送水、VAV等が用いられてきたが、本システムでは更にそれを推し進め、空気側の大温度差を実現するとともに、二次側設備全体のダウンサイジングによる設備費低減を図ろうとするものである。
低温小風量送風システムの注意点として、機材の断熱強化の必要性と、室内コールドドラフト防止の為高拡散型吹出口が必須である事が、ビデオ映像等を用いて説明された。一方夏の低湿度環境(従来より10%RH程度低い)は、室温を高めに設定すれば、屋外よりのヒートショックを緩和すると共に、快適性の向上に繋がるとの知見も紹介された。氷蓄熱設備との相性の良さ、リニュアル工事における適性も事例を示して強調された。
本システムの採用事例は、中部地方では未だ少ないようではあるが、氷蓄熱設備の拡大と共に採用事例の増加が予想され、その時には今回の講習会・マニュアルが大いに参考になると思われ、有意義な講演会であった。
(事業担当・中塚)